入院から移植手術, 退院までの経過:その6

とり急ぎ一報

手術は予定日に無事完了, 現在10日過ぎたあたりですが、概ね順調のようです。

(注:ブログではこの記事にたくさんのお祝いメッセージを頂きました)
(2005.12.2)

吐いた件について

12/2の昼過ぎなのですが、食べたものをそのまま吐いてしまいました。
これまで全くといっていい程何も起こらなかったので、初めて起こった異変のようなものです。もっとも医師によれば大抵の人にはあるという事です。

元々手術前から「動け〜動け〜喰え〜喰え〜(その方が回復が早いから)」と聞かされていてかなり刷り込まれていたこともあったのでしょう, また、自分でも思った以上に口から食べ物を入れることに抵抗を感じなかったので、その時点で体が許容する量以上を食べてしまったようです。

これ以降、出たものの半分程度で抑えておくことと指示されました。

普通、初めて食事が出た時なんかは、ひと口入れば良い方らしいです。それ前提での「喰え〜」サインなら明らかに食べ過ぎですね。
また、吐く直前には車椅子での移動でガタゴト揺られていたことも付け加えておきます。

(2005.12.4)

珍しく前向き

体の中で起こっていることは分かりませんが、体力, 精神面は日に日に回復しているように思います。
手術を受けること自体は、髪が白くなるほどに悩みましたが、もうやってしまったものは元に戻りません。先のことを考えていくしかないです。

こういう状況ですと、考え自体も前向きになってきて色々やってみたいことも頭に浮かんできます。
先の事になりますが、仕事も、以前同様という訳にはいかないでしょうがこれまでの仕事を再開したい気, せっかくスタートラインにもう一回立てるのだから未経験のことにチャレンジしてみたい気, どちらも出てきました。それから当然、移植関係で何らかの活動はしていきたいとも思っています。

それに料理もできるようにならんとな〜。
普段できないような勉強をするにも良いし。

手術自体は上手くいったようですが、術後管理の難しい移植手術ですからこれからが本番です。
でもこういう思考ができるのは、良いですね。

(2005.12.4)

自分ひとりの命じゃない

と書き始めると、ドナーから頂いた貴重な肝臓を・・と続きそうですが、今回はその話ではなく。

生体肝移植手術は日本では3,000例を越すまでになりましたが、ぼくの原疾患である原発性硬化性胆管炎(PSC)に限ると100例にも満たないそうです。
それはどういうことかというと、1例の成否の全体に占める比率が高いということになります。選挙でいう「1票の重み」みたいなものですね。
移植の場合は、○年生存率といって、手術後何年間無事に過ごせているかというデータがあります。ぼくのこれからの予後もこういうデータにいずれ載り、蓄積されていくことになるのだと思います。

ぼくの場合もそうでしたが、これから移植を受けよう, 受けざるを得ないという状況になったときに一番気になるのもこのデータである場合も多いでしょう(極端な話になりますが、移植したとしてあと何年生きられるのか, ということです)。
そう思えば、少しでも成績を良くして、後に続く方へ少しでもハードルを下げておきたいものです。

だから、体調の自己管理がずさんになったり、薬を飲み忘れたり、しょうもないことで失敗してしまう訳にはいきません。
(事故なんてのも馬鹿馬鹿しいからバイクも禁止ですねorz)

それに、ここまで支えてくださった皆さんの厚い想いに応えるのにも、元気でいる姿を見てもらい続けるのが一番だと思います。
何遍も書きますが、移植後の生活はこれからが本番で、まだまだ気の抜けるところは微塵もありません。
ちょっと調子が良いからといって調子に乗りすぎるのはご法度です。

(2005.12.4)

見果てぬ夢

周りの皆様の多大な理解と協力を受け、また迷惑をかけながら肝移植を実現しながらこんなことを書くのもアレなのですが、どうしても「もう普通じゃない」という考えもつきまといます。
それならそれなりに、普通の人には何でもないことでも自分にとって何か意味があるなら、たとえ他の誰に理解されなくても自分の思うようにやってみようと思っています。

仕事についても、6年かかって(遅)やっとこれから, というときに休業となってしまい、やり残していることだらけです。
振り返ってみても、気が付けば、やり残してきたことの積み重ねでここまでやってきたような気もします。それ自体は特に後悔するようなことでも何でもないですが。

でも夢は夢のままだから良いのかもしれません。
何でもかんでも思い通り, というのも逆に味気のないものかもしれません。

という事で、この長い長い入院生活でもちょっとした忘れ物を置いていくことになりそうです。

(2005.12.10)