病気腎で「ドミノ移植」 万波医師ら6年前に

病気の腎臓を使った移植を重ねていた宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)らが、前勤務先の同市立宇和島病院で6年前、親族からの生体腎移植を受けたネフローゼ症候群の患者から2個の腎臓を摘出し、同時に2人の腎不全患者に移植する「ドミノ病気腎移植」を実施していたことがわかった。生体肝移植などで用いられるドミノ移植を腎臓に適用したのは、国内では極めて異例。複数の専門医は、その有効性に疑問を投げかけている。

市立宇和島病院などによると、00年8月、当時21歳だった難治性ネフローゼの男性患者が再発を繰り返し、薬物療法に難色を示したため、男性の兄を臓器提供者(ドナー)にして生体腎移植を実施。摘出された二つの腎臓はその日のうちに、いずれも腎不全を患っていた愛媛県内の50代男性と高知県内の50代女性に移植された。

3人の移植手術はすべて万波医師が執刀し、ほかに同病院の医師らが立ち会った。術後2年が過ぎた時点で3人とも経過は良好だったという。かかわった医師の一人は「米国で既に、病気腎を使って同様のドミノ移植が行われていたのを知っていた。患者の状態も良かった」と話す。この移植については、02年に高知市で開かれた研究会で報告していた。

 一方、ネフローゼ患者の移植については、「さまざまな治療薬を使って体内に残すのが通常の選択」など、否定的な意見が多い。国内で初めて成人間の生体肝移植を執刀した土雪彦・広島大名誉教授は「腎臓のドミノ移植は聞いたことがない。腎臓と肝臓とでは緊急性が違う。肝臓には機能を代替する機械がないため、問題のある肝臓でも移植するが、腎臓の場合は安全に透析治療ができるのだから、ドミノ移植をする論理は成り立たない」と指摘する。

(2006年11月25日 asahi.com)

投稿者:1-12-bike 日時:2006年12月05日 10:12 | パーマリンク

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