2006年11月05日

米国留学時の治験が参考=病気腎移植「何度も見た」-万波医師・宇和島徳洲会

宇和島徳洲会病院の病気腎移植問題で、執刀した万波誠泌尿器科部長(66)は「病気腎移植を始めたきっかけは、(医師駆け出しのころの)米国留学時代に見た治験」と説明していることが5日、分かった。しかし、最近の治験結果は把握しておらず、過去の事例だけを参考に移植をしていたことも認めた。
(時事通信) - 11月5日

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<疾患腎移植>弟が兄に臓器提供…医療の枠外、波紋広がる

宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)で判明した疾患腎移植問題。11件の移植手術のうち3件の臓器を提供していたのは、移植医の万波(まんなみ)誠医師(66)の弟、万波廉介(れんすけ)医師(60)だった。ざっくばらんな性格で、「移植の腕は日本一」とも言われる兄の誠医師。廉介医師は先月末で勤務先の病院を辞め、非常勤で頼まれた時に手術に出向いているといい、「じゃあ、困っている人はどうすればいいんだ」とつぶやく。しかし、専門家らは「ルールを無視した行為だ」と一斉に批判の声をあげており、日本の移植医療の枠外で行われていた兄弟の行為に波紋が広がっている。

■兄は米で修業
父親は岡山県内の開業医だった。誠医師は長男で、山口大医学部を出て70年に市立宇和島病院に勤務。廉介医師によると、30歳代のころ手術が思うようにできずに悩み、米国のウィスコンシン大の移植医に手紙を書いて渡米して、“弟子入り”した。
帰国して市立宇和島病院に戻り、熱心に移植手術に取り組み始める。最初の移植手術は77年12月。当時は大学病院などでしか行っておらず、地元では「変わった医師」とも見られたという。
しかし、免疫抑制剤が十分でなかった時代から手術の成功率が高く、評判に。県内外から指導を仰ぎに医師が訪れるようになった。「出血が少なく、素早い」「1日で二つも移植手術をこなしたと聞いた」。技術を神業的とたたえる医療関係者は多い。松山市内で働く元同僚の医師は、「腎移植を含む泌尿器科の手術全体で、日本一と思う。免疫抑制のやり方も評価されている」と話す。
病院内では常にネクタイを締めず、サンダル履き。患者には丁寧に接し、評判は良い。その一方で、性格は「せっかち」という人もいる。「金に執着がない」というのが共通した評価。今年10月、担当した移植手術で臓器売買事件が発覚した際も、誠医師を知る人は全員が関与を真っ向から否定した。

■兄を尊敬し協力
「兄の熱意や技術に、自分は到底及ばない」。廉介医師は誠医師を尊敬し、長年協力してきた。一方で、誠医師には1000回以上、手術に立ち会ってもらったという。
廉介医師は誠医師同様に金銭に執着がなく、「手術の腕前はかなりのもの」という。高校の時、腹膜炎を起こして危ない状況になった。父親が大学病院に連れていき一命を取りとめた。廉介医師は「医療に助けられたのだから、医師になれ」という父の言葉で医療の道に進んだといい、「兄も父の助言で医師を選んだのではないか」と話す。
今回の移植手術では、岡山県内で3件の摘出手術を担当。宇和島徳洲会病院の医師と一緒に、自らの車で臓器を運んだ。「移植に使えるのに、取って捨てるのはどうか。こっそり使っているわけではない」と、誠医師と同じように正当性を主張。「生体腎、死体腎とは別の、第3の(移植に使う)腎臓と思っている」と正面を向いて話した。
先月末で岡山県内の仕事をすべて辞め、離島で医療を続けるつもりだったが、今回の問題で思うようにならなくなった、と話す。「臓器売買事件が発覚した当初、兄と『事件で移植がやりにくい法律ができて、日本の医療がもっと難しくなったら患者に申し訳ない』と話した」と打ち明けた。

■「非親族」うわさに
一方で、廉介医師は90年11月、脳死移植について「臨時脳死及び臓器移植調査会」(脳死臨調)の結論を待たずに脳死状態の男性から腎臓を摘出し、物議を醸したことがあった。この時も、誠医師が移植を行っていた。
今回も、愛媛県内のある医師は「新しいやり方をしているのは認めるが、学会などへの報告が少なく、優れた医療の共有という面で医学に対して責任あることをしない」と批判する。誠医師は会見などで否定していたが、「非親族の腎移植をしている」といううわさは以前からあった。「他の病院が移植を受け付けない時の『駆け込み寺』となっていたのではないか」(関西の医療関係者)という声も出ている。
(毎日新聞) - 11月5日

投稿者:1-12-bike 日時:22:04 | パーマリンク | コメント (0)

<疾患腎移植>「常識外」に法規制なく

愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で、病気のため摘出した腎臓が別の患者に移植されるという事態は、倫理上の問題が大きいうえ、臓器提供の自発性といった移植医療の根幹を揺るがしかねない行為だけに、関係者の批判は強い。移植医療の枠組みの外で発生した問題を検証する。
「病気の腎臓でもいいかと患者に説明して了承を得た」。今回の移植について、同病院の万波誠医師(66)はこう説明する。しかし、移植を受けた患者10人からは、一人も文書による同意を得ておらず、移植後に危険性があるというマイナス面の説明を、レシピエント(移植を受けた患者)にきちんとしていなかった可能性がある。
病気の腎臓を移植に用いることは、レシピエントに高い危険性をもたらす。腎臓に限らず、臓器移植を受けた患者は、拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤を服用する必要があるからだ。体の免疫力の低下によって、さまざまな感染症などにかかりやすくなるうえ、腎臓の負担も増す。
特に、がんの腎臓を移植するケースが今回11件中3件であったが、これは危険が大きい。厚生労働省が示すドナー(臓器提供者)の適応基準では、ドナーが対象臓器以外のがんであっても、移植した臓器ががんになる恐れがあるため、原則として除外されている。
日本臓器移植ネットワーク西日本支部長の園田孝夫・大阪大名誉教授は「がんの部位を取り除いても、血液中にがん細胞が残っている場合もある。免疫抑制剤を使うのでがんが再発しやすくなる」と指摘する。
また仮に説明していたとしても、患者が同意すれば、医師はがんなどのため摘出した腎臓を移植してよいのだろうか。
腎移植を待つ患者は「どんな腎臓でも、のどから手が出るほどほしい」(大阪府内の泌尿器科医)という心理状態だ。危険性を十分認識して正常な判断をするのが難しい人や、危険を伴っても今よりましだと信じて移植を望む人がいても不思議ではない。むしろ、患者の負うリスクを考慮して自制を求めることが、医師の役割でもある。

◇摘出必要だったのか?
今回の11件のうち、岡山県内の病院で3件を実施したのは、万波医師の弟の廉介(れんすけ)医師(60)だった。廉介医師は「もし使えるような腎臓だったら、透析をしていて欲しがっている人にあげてもいいか」などと摘出患者に持ち掛けたと説明している。
臓器移植法は、基本理念で「移植に使用されるための臓器の提供は、任意にされたものでなければならない」と明記しており、廉介医師の行為がその趣旨に反する可能性も否定できない。
宇和島徳洲会病院によると、ドナーの疾患は▽腎がん3件▽尿管狭さく3件▽動脈瘤(りゅう)2件▽良性腫瘍(しゅよう)2件▽ネフローゼ1件。摘出したということは、その臓器を体内から除去した方がよいと判断したことになるが、そもそも摘出までする必要があったのかどうかについて、複数の医師が疑問を投げかける。
園田名誉教授は「尿管狭さくなら、普通は狭さくした部分の剥離(はくり)などをすれば、摘出しなくても治療は可能。動脈瘤も、こぶの部分だけを切除すればいい」と指摘する。ある大学病院の泌尿器科助教授も「腎臓の機能が正常なのに摘出する病態は極めてまれ。腎臓を取る必要がない患者から摘出したということになる。医師が移植当事者の間に入ることが問題で、摘出が誘導されなかったか調べないといけない。同じ泌尿器科医として、本当に情けない」と話した。
廉介医師自身も「(元の患者に)戻したらいいというのはもっともな意見」としながら「僕はそういう技量は持っていないし、面倒で失敗もある」と打ち明けた。
一方、2件の摘出手術をした香川県内の病院の勤務医は「弁護士に確認したが、法的に問題はないとのことで、倫理委員会は開いていない。患者に同意書も書いてもらっている」と説明する。

◇専門家が科学的に検証を
脳死や心臓死後の臓器提供は、臓器移植法や関連法令で、その手続きが厳しく決められている。同法で「移植術を受ける機会は、公平に与えられるよう配慮されなければならない」と規定され、ドナー自身や家族、医療機関がレシピエントを任意に決めることはできない。「日本臓器移植ネットワーク」が、同法に基づいて厚生労働相からあっせん業の許可を受けた国内唯一の組織で、重症度や血液型などからレシピエントを決定する。
一方、生体臓器移植は「臓器売買の禁止」を除いて具体的な法規制はなく、医療現場では日本移植学会の倫理指針に基づいて進められている。ドナーは原則として指針で定める親族のうち、自発的な提供意思がある人に限られ、第三者があっせんすることはない。親族以外の場合は、院内の倫理委員会の承認に加え、同学会倫理委員会の審議を必要とし、妥当性をチェックしている。
今回明らかになった「病気のため摘出された腎臓」の移植は、親族以外の場合に当たるが、指針の原則は一切守られていなかった。病院の管理者が知らないまま、主治医ら現場の判断だけで提供されるなど、医師があっせん行為をしていたとも言える。このため、患者の移植機会の増加を望む患者団体からも、移植機会の公平性などの点で批判的な意見が出ている。
米本昌平・科学技術文明研究所長は「病気のため摘出した腎臓を移植することが治療といえるのか、まずは専門家が科学的に検証すべきだ。その上で倫理的な問題も明らかになった場合は、法による規制なども検討していくべきだろう」と話している。
(毎日新聞) - 11月5日

投稿者:1-12-bike 日時:22:03 | パーマリンク | コメント (0)

病気腎移植 指針違反、非親族も 宇和島徳洲会 医師、虚偽説明の疑い

病気腎移植 指針違反、非親族も 宇和島徳洲会 医師、虚偽説明の疑い

愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院(貞島博通院長)が、病気と診断され摘出した腎臓を別の患者に移植していた問題で、移植手術を担当した泌尿器科部長の万波(まんなみ)誠医師(66)は3日、産経新聞の取材に、腎臓疾患患者をドナーとしていたことに加え、この中に日本移植学会の倫理指針に反する非親族間の移植があったことを認めた。

万波医師はこれまで非親族間移植は臓器移植法違反(臓器売買)事件として立件された1件だけとし、「移植手術は親族間以外では絶対にありえない」と説明していた。虚偽だった疑いが強いが、同医師は「うそではない。例外だった」と話している。

万波医師の手術を今年2月に受けたという男性は産経新聞の取材に応じ、同医師から「(腎臓の)いいのがあったらやろうか」と言われて、移植を勧められたと証言した。同医師が親族でないドナーの存在を把握し、移植を斡旋していた可能性が出てきた。

また、疾患の疑いの腎臓を移植した11件のうち3件は、万波医師の弟の万波廉介医師(60)が摘出手術にかかわっていたことも判明した。

関係者によると、病気の患者から摘出した腎臓を別の患者に移植した11例のうち、3例は腎臓がんの疑いや良性腫瘍(しゅよう)、動脈瘤(りゅう)のため別の病院で摘出した後、良性の病変と確認したうえで徳洲会病院に運び、移植されたものだった。

弟の廉介医師がこの3例で摘出手術にかかわっていた。岡山県内の病院で摘出手術を行ったという。廉介医師は、摘出患者の同意も得て、金銭のやりとりもなく、問題はないと主張している。

万波医師は産経新聞の取材に「(病気摘出された腎臓の)移植を受ける患者には、そういう理由で摘出された腎臓であることや、(病気の)再発の可能性についても説明し、同意してもらっている」と語った。

■説明・同意、十分あったか

病気治療のため摘出した腎臓を、他人に頻繁に移植していた宇和島徳洲会病院。医療関係者や移植の患者団体からは「とんでもない話」と一様に批判の声が上がった。腎臓提供者や移植を受けた患者に、「病気の腎臓」という十分なインフォームドコンセント(事前の説明と同意)があったのか。今後の実態解明が求められる。

移植関係者によると、がんなど病巣を含む腎臓を移植に使うことはあり得ない。しかし、治療過程で、まだ機能する腎臓が摘出されるケースはあり、それを移植することはあり得るという。

例えば腎臓直近の大動脈瘤(りゅう)の手術では、健康な腎臓をいったん摘出し、瘤の手術後、摘出していた腎臓を別の場所に「自家移植」する。また、事前の検査で悪性腫瘍(しゅよう)と診断していた部分が、摘出後に良性腫瘍と分かり、摘出する必要がなかったと判明するケースもある。

しかし、日本臓器移植ネットワーク理事兼西日本支部長の園田孝夫・大阪大学名誉教授は「他人に移植するなら、そもそも摘出しなければならない病的な腎臓だったのか、という問題がある」と指摘。「仮に腫瘍なら、手術前の検査で良性か悪性かはおおむね分かるし、悪性部分だけ取り除くのも難しい手術ではない」と話す。

腎臓移植医の太田和夫元日本移植学会理事長は「担当した医師は、腎臓の機能は完全ではないけれども、移植される患者のためになる良いことだと考えてやっているのだろうが、一般常識では行わない手術」と批判する。

移植を受けた人々でつくる全国組織「日本移植者協議会」(大阪)の大久保通方理事長は「病気の患者の腎臓を移植するという手術が、年に4回程度行われていたというのは信じられない。病院にこうした腎臓を受け入れる段取りができているとしか思えない」と病院側の体制を疑問視する。

日本移植学会は倫理指針で、生体移植にあたって親族以外からの提供は原則的に認めていない。同病院には倫理委員会がなく、移植実施の判断を誰がどのように行ったのかまったく不透明だ。

そうした移植が頻繁に行われる中で、臓器提供者の同意が十分に得られていない可能性や、摘出の必要のない腎臓が摘出された可能性も疑われる。2年半の間に行われた11回について、第三者の目で検証する必要がある。
(産経新聞) - 11月4日

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<疾患腎移植>病院側「人工透析より費用かからない」

愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で4日開かれた会見で、病気のために摘出された腎臓を別の患者に移植した経緯が初めて明かされた。執刀した万波誠医師は「出合い頭」という言葉を使い、「計画性は全くない。その時腎臓があるかどうかだ」「困っている腎不全患者のために人工透析より費用がかからず、生活の質が向上する」として移植を進めるべきとの持論を展開した。「使える臓器を使う」という考えの実践に、移植医療関係者から、改めて驚きと批判が噴出した。

◇繰り返し、正当性主張

会見で万波医師らは、繰り返し移植の正当性を主張した。主な一問一答は次の通り。

――移植に耐える腎臓だったのか。
分からない。ドナー(臓器提供者)からは「腎臓を使えるんやったら使わせてほしい」という口頭の了解は取っている。11例はすべて、腎摘出をしなくてはならないものだった。レシピエント(移植を受ける人)には「がんの腎臓でも大丈夫か」と言って了承を取った。
――移植学会は「使える腎臓なら元に戻せ」としている。
戻す場合は、手術全体が7、8時間になる。取り出しだけなら1時間ちょっと。この説明に「ご免被る」と言った患者からは摘出している。ドナーと家族には「(腎臓を)残すこともできる」などと十分説明している。患者をだましたことはない。看護師にも説明して行っている。
――同意書はあるか。
11例の中で、よそから来た腎臓については同意書があるものもある。他のものはない。ドナーとレシピエントには面識はない。病気の腎臓を移植する手術は徳洲会病院に移ってからやった。
――計画性は。
「捨てる腎臓があるならお願いします」と友人に言っている。計画性は全くなく、すべて出合い頭。その時腎臓があるかどうかだ。
――ドナーとレシピエント双方とも健康か。
手がけたドナー6人やレシピエントは全く問題ない。
――先生の信念とは。
患者が腎不全で困っていると、何とかしようという気が起きてくる。(患者の命が)少しでも長く続けばいいと思っている。透析は完治しないし費用がかかる。移植したら10分の1くらいの金で済む。もっと移植を進めるべきだ。何より患者の生活の質が上がる。私は患者の喜ぶ顔を見るのが生きがいだ。
――院長は事前に移植を知っていたのでは。
(貞島博通院長)正式の報告はなかったが、手術があったらしいとは知っていた。
◇移植受けた女性「感謝している」
今年9月に移植を受けた宇和島市の女性(69)も会見。病気を持つ腎臓を移植されたことについて「これで悪くなったら仕方がない。万波先生に(手術を)しませんかと言われたので手術をした。偉い先生と聞いていたので、二つ返事で『します』と答えた。感謝しています」と語った。
(毎日新聞) - 11月4日

投稿者:1-12-bike 日時:22:00 | パーマリンク | コメント (0)

<疾患腎移植>病院側が初会見「院長が了承していた」

愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で病気のために摘出した腎臓を別の患者に移植する11件の手術が行われた問題で、同病院側が4日、この問題発覚後に初めて会見した。貞島博通院長(54)と泌尿器科部長、万波誠医師(66)が出席。貞島院長は「病院として11件の移植を認識し、院長が了承していた」としたが、この中には手術後に報告を受けたケースがあることを認めた。万波医師は「捨てる腎臓があれば連絡してほしいと友人(の医師)に頼んでいた」と話したが、「初めから移植を計画していたわけではない」とし、移植が可能な腎臓が出てきた段階での「出合い頭」の手術だったと説明した。

会見によると、移植手術が行われたのは04年9月~06年9月。ドナー(臓器提供者)の疾患は尿管狭さく3件、腎がん3件、動脈瘤(りゅう)2件、良性腫瘍(しゅよう)2件、ネフローゼ1件。このうち6件については、宇和島徳洲会病院で摘出手術も行ったという。
レシピエント(移植を受けた患者)は10人で、1人はいったん移植した腎臓を手術後に取り出して、計2件の移植を受けていた。大半は宇和島市内に住んでおり、ドナーが発生後、腎臓を移植に使えるよう保存できる3日の間に移植に関する説明をしたという。
レシピエントとドナーの間に面識はなかったといい、万波医師は両者の間で臓器提供を巡り、「(金銭授受などは)ないはずだ」と話した。
ドナーの同意については、他の病院では同意書を取ったケースもあるとしたが、宇和島徳洲会病院で腎臓を摘出した6件については、「(摘出した腎臓が)使えるなら、(移植に)使わせてほしい」と話して口頭で了解を取ったものの、同意書はいずれも取っていない、という。
レシピエントに対しては「がんの腎臓でも(移植して)大丈夫か」と話して了承を得たと説明。しかし、当時、同病院に移植に関する倫理委員会はなく、10人全員から同意書も取っていなかった。
万波医師は11件すべてについて、ドナーとレシピエントは親子以外の関係だったと話し、「1件は親子間だった」とする病院の発表を訂正した。
病院側は11件について外部の医師らを交えて移植が適性だったかを検討し、同意書がなかったケースについては、弁護士らがドナー、レシピエント双方の患者側の意志を確認する、とした。
(毎日新聞) - 11月4日

投稿者:1-12-bike 日時:21:59 | パーマリンク | コメント (0)

病気摘出の腎臓を移植=11件、宇和島徳洲会病院-愛媛

生体腎移植手術をめぐる臓器売買事件の舞台となった愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院(貞島博通院長)で、病気で摘出した患者の腎臓を別の患者に移植したケースが11件あったことが、3日までに同病院がまとめた調査結果で分かった。
通常の治療で、疾病のため腎臓を摘出し、病変部を治療した後、同じ患者に戻すことはあるが、別の患者に移植するのは異例。改めて同病院の移植に対する姿勢が問われそうだ。
(時事通信) - 11月3日

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<疾患腎移植>執刀医師「倫理より患者」と主張

臓器売買事件があった愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で、病気のために摘出された腎臓を別の患者に移植していた問題で、売買事件の手術を担当した泌尿器科部長の万波誠医師(66)が取材に「倫理を持ち出されるが、私には患者の方が大事。患者の了解も得ている」と述べ、手術に問題はなかったとの認識を示した。しかし、同病院では当時、倫理委員会がなく、臓器を摘出した病院でも11件のうち少なくとも5件は倫理委員会に、移植をはかっていないことも新たに分かった。万波医師は11件のほとんどが親族以外への移植だったことを認めたが、事件の発覚当初は「執刀したのは親族間の移植だけ」という内容の話をしていた。

一方、この5件のうち、2件では摘出患者の同意書がなかったことも分かった。摘出手術は岡山、香川県内で行われ、医師2人が担当した。1人は万波医師の実弟で、「患者への説明は十分行い、了承は得ている」としている。別の医師は「患者と家族から同意の文書をもらった。倫理委員会は法的に問題がないので開かなかった」と説明している。
5件で腎臓を提供した患者は50~70代で、腎がんなどを患っていた。手術後の経過はいずれも良好という。
同病院は04年4月のオープン以来、78件の生体腎移植を行った。うち66件は親族間の移植手術だったとしたが、このうち5件は「外国籍であるなどの事情」のため本当に腎臓の摘出患者と移植患者が親族関係であるかを調査中としており、さらに親族外の移植が増える可能性もある。

■解説 移植の前提揺るがす事態に
移植医療はレシピエント(移植を受ける人)の生命を守るために、ドナー(臓器提供者)という第三者を必要とする特殊な医療だ。そのため、ドナーの自発性や移植機会の公平性などが最も重要となる。病気を理由に摘出された腎臓が、宇和島徳洲会病院で他の患者に移植されていたことは移植医療の大前提を揺るがす事態といえる。
臓器の摘出は患者の身体に大きなダメージを与える。慎重な判断が必要だが、今回の11例に関しては、移植できる臓器を本当に摘出する必要があったのかと、専門医から疑問が出ている。また、ドナーとなった患者は自分の治療のために摘出に同意したのであり、その後、他の患者へ移植することを納得したからといって、もともと自発的な提供意思があったかどうかは分からない。また「使える臓器を使う」という発想は、臓器の商品化を認めることになりかねない。
一方、レシピエント決定の経緯も不透明だ。脳死や心臓死後に提供された臓器は、公平公正を期すため、臓器移植法のもとで、日本臓器移植ネットワークが重症度や血液型、待機日数などからレシピエントを選ぶ。
今回の移植は生体移植だが、ドナーとはつながりのない第三者に移植されている可能性があり、脳死などでの移植に形態は近い。だが、宇和島徳洲会病院には10月まで倫理委員会はなく、医師の裁量でレシピエントが決められたかもしれない。また、病気で摘出された臓器を移植されたレシピエントのリスクを、同病院や関係した医師らがどこまで配慮したか、疑問が残る。
同病院で腎臓移植を受け、命を救われた患者がいたことは否定できない事実だ。しかし、移植の原則を無視して不透明な医療を進めてきたことは見過ごせない。日本の移植医療への信頼を揺るがし、その普及を妨げることにもなりかねない。
(毎日新聞) - 11月4日

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摘出2病院、移植は知らず…病気腎「同意書提出なし」

臓器売買事件の舞台になった宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)で病気のため摘出した腎臓が別の患者に移植された問題で、腎臓の摘出が実施された岡山県内の2病院が3日、読売新聞の取材に対し、移植に使われることを知らず、患者からの同意書も提出されていないことを明らかにした。

摘出手術を行った万波(まんなみ)廉介医師(60)(岡山県在住)は70歳代の女性から摘出した際、「病理組織を見るために持ち帰る」と病院側に話していたことも判明。虚偽の説明で腎臓を移植した可能性もあり、厚生労働省や愛媛県は情報収集を始めるほか、日本移植学会も13日、臨時理事会を開き、対応を検討する。

宇和島徳洲会病院で、病気の患者から摘出した腎臓を移植したケースは11件あり、すべて廉介医師の兄で、同病院泌尿器科部長、万波誠医師(66)が行った。
(読売新聞) - 11月4日

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<腎臓移植>疾患患者から摘出して11件手術 宇和島の病院

<腎臓移植>疾患患者から摘出して11件手術 宇和島の病院

生体腎移植手術を巡る臓器売買事件の舞台となった宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市、貞島博通院長)は2日、04年4月~今年9月、「腎臓摘出対象疾患」の患者から摘出した腎臓を他の患者に移植した手術が11件あった、とする文書を地元記者クラブに配布した。

腎臓を摘出する必要があるのは、腎臓や尿の通り道の尿管などにがんなどの腫瘍(しゅよう)ができた場合などだが、そうした腎臓の移植は安全性に疑問がある。臓器移植のあっせんをしている日本臓器移植ネットワークは、がん患者からの腎臓提供を認めていない。日本移植学会「生体臓器提供にかかわる特別委員会」の大島伸一委員長は「重大な問題の可能性がある。専門家がきっちりと調査しなければいけない」と話している。
同病院でこの日開かれた「腎移植手術に関する調査委員会」で報告された。この約2年半の間に生体腎移植は78件行われ、うち親族間は66件、今回の事件につながった移植が1件、残りの11件が「疾患患者」からの移植だったとした。
病院側は今後、外部の泌尿器科医師を加えた専門委員会で移植手術に至った経緯や手術について検討するとしている。また、弁護士などが提供者に対し、意思が確認された経緯などを聞き取り調査することにし、当面、「疾患患者」から摘出した腎臓移植は差し控えることを決めた。
毎日新聞の取材に、病院側は「文書の内容以外は、取材に応じられない」とし、臓器売買事件の執刀医である万波誠・泌尿器科部長は「調査委メンバーではなく、文書も見ていないので答えられない」と話した。
(毎日新聞) - 11月3日

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移植シンポ 臓器移植法アンケート 7割超が「改正すべき」

10月15日の「移植医療シンポジウム」(産経新聞社主催、厚生労働省後援)で産経新聞社が行ったアンケート調査の結果が31日まとまった。アンケートは参加者のうち184人に対し、臓器移植法の改正の是非などについて質問、93人(50%)から回答があった。

15歳以上で、本人が臓器提供の意思を書面で示し、家族の同意を得て初めて脳死からの臓器提供ができる臓器移植法に対し、69人(74%)が「改正すべきだ」と回答した。「どちらとも言えない」が18人(19%)、「改正すべきではない」が5人(5%)、無回答は1人(1%)だった。

「改正すべきだ」と答えた理由としては「移植医療の重要性を考え直してほしいから」=大阪府、主婦、女性(39)▽「子供も移植ができるようにすべきだから」=東京都、無職、男性(65)。改正に消極的意見としては「日本人の死生観が変化しなければ法改正しても受け入れられない」=栃木県、公務員、女性(38)▽「医療現場の意識改革が先だ」=東京都、看護師、女性(28)-との意見があった。

「改正すべきだ」と答えた人に、(1)脳死を人の死とし、本人が拒否していない限り、遺族の同意で提供できる(2)提供年齢を15歳以上から12歳以上に引き下げる-の2つの改正案(現在、ともに国会に提出されているが、審議はスタートしていない)のどちらに賛成かをたずねると、(1)に賛成が52人(75%)、(2)に賛成が10人(14%)、残り7人(10%)が、無回答だった。

(1)に賛成の理由は「ドナー増が期待できる」=大阪府、会社員、男性(44)▽「シンプルさがよい」=東京都、医師、男性(45)▽「賛成か否か人々が考えるようになる」=大阪府、女性(27)-など。これに対し、(1)の改正案に反対な意見としては「本人にのみ提供か拒否かの選択権がある」=大阪府、会社員、男性(60)▽「本人の意思を前提としないと、あとで後悔する家族が出てくる」=東京都、会社員、女性(30代)-があった。

臓器不足の解消策としては「すべての人にドナーカードを配る」=東京都、看護師、女性▽「脳死判定のシミュレーションを2年に1回程度、病院に義務づける」=神奈川県、会社員、男性(53)-といった意見が寄せられた。
(産経新聞) - 11月1日

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<日本移植学会>生体臓器移植手続き強化へ

日本移植学会の「生体臓器提供にかかわる特別委員会」が1日、名古屋市内で開かれ、生体腎移植の臓器提供者(ドナー)に対し、新たに写真付きの身分証明書での本人確認や、精神科医など第三者による提供の意思確認などを会員に義務付けるマニュアル案をまとめた。他の生体臓器移植でもモデルにする方針。
(毎日新聞) - 11月1日

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講演会:松山で菅さん、臓器提供の現状テーマに /愛媛

講演会「我が国における臓器提供の実際」(生涯学習グループ二之丸会主催)が29日、松山市山越町の県女性総合センターであり、市民ら約30人が熱心に耳を傾けた。
県臓器移植支援センターで移植コーディネーターをする菅成器さん(45)が、死体からの移植の場合、移植希望者数の約1%しか提供例がないことや、滋賀県で行われている国民健康保険証に臓器提供意思表示欄を入れる取り組みを紹介。「宇和島の臓器売買事件は残念だが、この機会に自分が死んだ時どうしたいか家族と話し合い、臓器提供意志表示カードに記入してほしい」と呼びかけた。
 臓器移植などについての問い合わせは県臓器移植支援センター(089-915-1081)まで。

(毎日新聞) - 10月30日

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臓器売買/再発防止へ抜け穴なくせ

臓器をお金でやりとりすることは固く禁じられている。そんなことが許されたら、お金に糸目をつけず、どんな手段を使ってでもという人が出てこよう。弱い立場の人が臓器提供を強制される事態も起きかねない。決して許さることではない。

そのあってはならないことが、愛媛県宇和島市の宇和島徳洲会病院で起きた。昨年九月、生体腎移植を受けた男性患者が、腎を提供した女性に、謝礼として現金や車を渡していた。愛媛県警は、患者と仲介した内縁関係にある女性を、臓器の売買を禁じた臓器移植法違反の疑いで逮捕した。

臓器を必要とする人の数に比べ、提供者は極端に少ない。そのアンバランスが違法な手段を生まないか、などと懸念されてきたことが現実になった形だ。

警察によると、逮捕された二人は腎臓を提供した女性を、仲介した女性の妹と偽って手術を受けさせていた。男性は提供者の女性から借金があり、その返済に現金を上乗せして支払うとの条件で、承諾をとりつけたとされる。提供した女性は「しつこく提供を迫られた」と供述している。

事情はどうであれ、臓器提供のルールから逸脱していることは疑いない。

脳死移植や心停止後の臓器移植は、法律で脳死判定の基準や実施手順が決められている。臓器は、組織の適合性や患者の状態などを考慮し、公平に分配する決まりだ。金銭の授受がないよう、提供者と患者を接触させないルールもあり、これまで大きな問題は起きていない。

一方、健康な人から臓器を取り出す生体間移植は法的な決まりが緩い。

日本移植学会は倫理指針で、提供者を患者の親族と限っている。やむを得ず親族以外の提供が必要なときは病院の倫理委員会が審査するルールだ。ところが、学会も親族かどうかの確認は定めておらず、抜け穴になるとの指摘は以前からあった。

今回、病院側は関係者の説明をうのみにし、親族として手術していた。これまで数十例の生体間移植を行っているのに倫理委員会を設けていなかった。こうした不手際が違法行為を見逃す要因になっていなかったかどうかも、解明してもらいたい。

臓器移植法の施行以来、脳死移植は約五十例と足踏みしている。その間、生体間移植は大幅に伸びた。とはいえ、生体間の肝移植ではドナー(臓器提供者)の死亡や重体事故も起きている。

ドナー対策を行き届いたものにすることが、生体間移植を欠かせない医療としていくための最低限の条件だろう。

神戸新聞ニュース:社説 2006/10/03

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