愛媛県警が強制捜査に踏み切った1日は、臓器移植普及推進月間の初日。東京都内では、臓器移植推進を求める患者団体が臓器移植法の改正を訴えるシンポジウムを開いており、終了後の記者会見では参加者が事件についても言及した。
臓器移植患者団体連絡会の大久保通方・代表幹事は、「臓器の売買はあってはならないし、あったとしたら大変なこと」と強調。そのうえで「国内の提供者が少ない現状では、臓器を買うようなことまで起きてしまうのだろう」と話した。
臓器移植法は、脳死下の臓器移植について、提供者本人の書面での意思表明などを条件としており、1997年以来、提供実現は47例にとどまっている。
腎移植の現状をシンポジウムで報告した東邦大医学部腎センターの相川厚教授も、「腎移植の希望者は15年から16年待っており、状態が悪くなってから移植を受ける人や、提供を待つ間に亡くなる患者も多い」と指摘。「売買が許されないのは大前提だが、死後の提供を難しくしている法制度が事件の背景にあるのではないか」と述べた。
この日、全国で行われた臓器移植推進の街頭キャンペーンには計約1万2000人が参加。全国腎臓病協議会の栗原紘隆副会長は、「移植への国民の理解がまだ足りないのに、事件で『(臓器の)売買ができるのか』という誤解が広がっては困る」と懸念していた。
厚生労働省の原口真・臓器移植対策室長は同日午後、事件を知り、シンポジウム会場から厚労省へ。「倫理的に許容される範囲で行わなければならない臓器移植で、法律違反があったことは、移植自体の信頼が損なわれかねない」と話した。
(2006年10月2日 読売新聞)
投稿者:1-12-bike 日時:2006年10月03日 00:12 | パーマリンク