中林正雄愛育病院長は会見後、秋篠宮ご夫妻が手術前、「国民の役に立つことであれば」と臍帯血(さいたいけつ)の提供を申し出ていたことを明らかにした。無事出産も終わり、中林院長は「ご意思に沿うように登録したい」と語った。
へその緒(お)や胎盤の多くはかつては不要なものとして捨てられていたが、赤血球や白血球などを作り出す細胞(造血幹細胞)が豊富に含まれている。これらを凍結保存し、白血病患者などに移植するのが臍帯血移植で、臍帯血を保存するためのバンクが95年9月に神奈川で初めて発足。日本さい帯血バンクネットワークによると、9月6日現在、全国11カ所のバンクに約2万5400本の移植可能な臍帯血が保存されている。国内では97年2月に初めて移植が実施され、今年7月までの移植件数は3161件(複数の臍帯血による同時移植例14件を含む)。
▽臍帯血移植に詳しい加藤俊一・東海大医学部教授の話 今回、臍帯血をご提供いただけるということは、立場を超えて人間として社会のために役立ちたいと考えられていらっしゃるのではないか。これまで多くの国民に意義を理解し、協力していただいており、さらに理解が深まると思う。
(毎日新聞) - 9月6日
社会保険庁は中小企業のサラリーマンや家族が加入する政府管掌健康保険(3562万人)の保険証について、来年1月から裏面に臓器提供の意思表示欄を設けたものに切り替える。脳死、心停止した際の臓器提供普及が目的で、プライバシーに配慮し、希望者には意思表示欄を隠すためのシールも配布する。
臓器提供の意思表示カードは、日本臓器移植ネットワークが行政機関の窓口などで配っているが、普及していないのが現状。そこで政府が運営し、市町村の国民健康保険(4761万人)に次ぎ規模が大きい政管健保がリードすることで、普及を図ることにした。
保険証の裏面には、脳死判定後または心停止後の臓器提供意思の有無、提供しても構わない臓器の種類などにチェックをつける方式の意思表示欄を設ける。記入するかはあくまで本人の任意で、途中で意思が変わった場合は、社保庁に申請し保険証の再交付を受ければよい。
政管健保の保険証は03年度以降「家族に1枚ずつ」から、クレジットカードサイズの「加入者1人に1枚ずつ」へ順次切り替えられている。保険証に意思表示欄を設ける取り組みは、滋賀県内の国民健康保険などが先行している。【吉田啓志】
(毎日新聞) - 9月4日
臓器提供の条件が厳しい現行の臓器移植法の早期改正を求めて、腎臓病や心臓病などの患者団体らでつくる「臓器移植患者団体連合会」は3日、シンポジウム「救え!いのち。一日も早く臓器移植法の改正を!!」を開催する。8~10月に全国5カ所で開催するリレーシンポの一環で、移植を待つ患者らが臓器移植の現状を訴える。
継続審議となっている臓器移植法の改正案は(1)本人が事前に拒否していない限り、家族の同意のみで提供を認める(2)臓器提供の場合に限って脳死を人の死とし、提供可能年齢を15歳以上から12歳以上に引き下げる、の2案。同連合会は(1)案を支持しており、9月下旬にも召集される臨時国会での本格審議入りを求めている。
シンポジウムは、臓器移植に携わる医師や国会議員からの現状報告もある。3日午後2時~3時半、大阪市中央区大手前1のOMMビル。問い合わせはNPO日本移植者協議会(06-6360-1180)。【久田宏】
(毎日新聞) - 9月1日