信大大学院医学研究科は10日、松本市の同大旭総合研究棟で公開授業「子どもの脳死と臓器移植」を開いた。亡くなった息子の腎臓を提供した医師、弁護士ら5人が講師を務め、学生と市民ら計約100人が聴講。開会中の通常国会に、15歳未満の脳死段階での臓器提供に道を開く2つの改正法案が提出されていることを踏まえ、現状と問題点などを考えた。
同研究科が公開授業でこのテーマを扱うのは3年連続。小児神経科医で第二びわこ学園(滋賀県野洲市)園長の杉本健郎さんは、1985年に交通事故で死亡した6歳の長男の腎臓を患者に提供した経験を話した。
杉本さんは「息子は悔しく、不快な思いをして死んだはず。その上なぜ、臓器移植で体を切り刻まれなくてはいけないのかと感じたかもしれない」と振り返り、脳死でも子どもの意思を親が「代理決定」することの難しさを強調した。
中山茂樹・京都産業大法学部助教授は「脳死状態でも、その後一定期間、生き続ける可能性がある。代理決定する際は、子どもにとって最善の利益は何かを考える必要がある」と指摘。明治大法科大学院教授の弁護士、鈴木利広さんは基調講演で「子どもの権利を守りつつ、移植医療を普及させることが大切だ」と述べた。
信濃毎日新聞 6月11日(日)
投稿者:1-12-bike 日時:2006年06月22日 23:33 | パーマリンク