脳死での臓器提供を増やすため与党の有志議員は22日までに、臓器移植法を改正する2つの法案を今国会に再提出する方針を決めた。近く自民、公明両党内の手続きを経て、議員立法で提出される見込み。
2法案は、(1)本人が拒否の意思を示していなければ家族の同意で脳死判定と臓器提供ができるようにする(2)提供の意思表示ができる年齢を現行の「15歳以上」から「12歳以上」に引き下げる-と緩和する移植条件に差がある。一本化作業が困難なため、2案をそれぞれ提出し、採決で与党は党議拘束をかけない見通しだ。
2法案は昨年8月にも国会に提出されたが、衆院解散により廃案となっていた。
(共同通信)
厚生労働省は15日、現在2年に1度実施している医薬品の公定価格改定について、今後は毎年実施する方針を固めた。公定価格を低い市場価格に近づけ、公的医療保険からの支出を抑えるのが目的。5月にも厚労相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」に示す。今年4月の薬価改定に続けて、来年4月も今年の市場価格調査を反映させた改定を実施する考えだ。
医療機関の仕入れ値である市場価格は、医薬品メーカー間の競争で下がる傾向が強いため、保険から医療機関に支払われる公定価格との差額が大きくなり過ぎないよう、市場価格に合わせ公定価格も引き下げている。
しかし、いまの2年に1度の改定では、市場価格の下げ幅に追いつかないのが現状。03年の平均公定価格は、平均市場価格より約6.3%高かったが、05年には約8.0%と差が1.7ポイント広がった。厚労省は今年4月、公定価格を6%分引き下げるが、現行制度ではその後2年間は見直しがなく、公的医療費を余分に出費することになるため、毎年格差を是正することにした。
保険給付される薬剤費は年間6兆円強で、公的医療費の約2割を占める。公定価格と市場価格の差額は全体では5000億円程度で、薬価を毎年改定することにより、1000億円単位の薬剤費の圧縮効果が見込まれる。毎年の薬価改定には医薬品メーカーや薬価差益を期待する医療機関などの反発が予想されるが、公定価格を市場価格より2%高くする調整措置を残すことで、厚労省は押し切る意向だ。
(毎日新聞)
臓器移植を受けたいが、国内ではなかなか機会が得られない。そこで、やむなく海外で受けるという人が少なくない。
これまで、渡航移植の実態はほとんど分からなかったが、厚生労働省の調査で、初めて一端が明らかになった。
1988年から2005五年の間に、心臓移植を受けた人は85人、肝臓移植は199人、腎臓移植は151人で、延べ435人に上り、ほかに亡くなった人が18人いることが分かった。
わが国では97年10月に臓器移植法が施行され、脳死患者からの臓器移植が可能になった。これまでに脳死下での移植が、40例行われている。
しかし、調査ではっきりしたことは、法施行後も渡航移植が続いているという実態だ。国内に脳死移植を認める法律を持ちながら、臓器を求めて海外へ行かねばならない現状。それが対日批判に結びついているとすれば、見過ごしにはできない。
今回の調査を、日本の移植医療を考えるきっかけにすべきだろう。
特にいま問題になっているのは、国内での臓器不足から、開発途上国での臓器の確保に向かっているとの批判である。
中国での死刑囚からの臓器移植は象徴的な例だろう。最高人民法院の規定で死刑囚からの臓器摘出が認められており、こうした臓器が日本人渡航者にも移植されていると指摘されている。
世界保健機関(WHO)や世界移植学会は反対の立場を表明し、日本の関係医学会に毅然(きぜん)とした対応を求めている。そのことも、今回の調査のきっかけになった。
フィリピンでは日本人対象に腎のあっせんが公然と行われ、「臓器売買」と批判されてきた。背景に貧困問題があり、WHOは人道上、許されないとの立場をとる。
臓器移植法の施行後、心臓移植を求め海外へ渡る人が、むしろ増える傾向にある。小児より大人が多いのが、最近の特徴だ。脳死による移植が思いのほか、進まないという現状へのあきらめやあせりが、海外へ向かわせているともいえるだろう。
わが国は、世界に例のない生体肝移植大国である。脳死臓器移植が実現するまでの“つなぎ”とされた医療が、現状では主流になり、提供者(ドナー)の範囲の拡大が新たな人権問題を招来している。
臓器ごとに直面する問題は違い、一様でない。「助かればいい」では済まされない問題も多く含んでいる。臓器移植という医療行為をめぐってもつれた糸を、一度解きほぐすことが重要だ。
(神戸新聞)
厚生労働省は十三日、高額医療の患者自己負担限度額制度について、患者が医療費の原則三割を窓口でいったん支払った上で超過分を払い戻してもらう現行の仕組みを改め、患者は限度額だけ支払えば済むよう見直すことを決めた。患者が一時的に多額のお金を準備せざるを得ないケースが多く、改善が求められていた。一つの医療機関で一回の支払いが限度額を超えた場合のみが対象で、平成十九年四月からの実施を目指す。
患者はかかった医療費の原則三割を負担しなければならないが、医療費が高額になった場合は、支払い上限が定められている。六十九歳以下の場合は現在、七万二千三百円に限度額を超えた医療費の1%を加えた額が上限となっている。
ところが、現在の仕組みでは、まず患者が超過分を含めた全額を支払い、上限を超えた分の払い戻しを健康保険に申請する手続きが必要。払い戻しまでには2~3カ月かかり、患者の中には一時的に百万円近くを用意せざるを得ないケースもある。
一時金を用意できない患者は、市町村による貸付制度や、病院が健康保険から直接給付を受ける「受領委任払い制度」を利用している。
見直し後は、患者は窓口で限度額のみ支払えば済み、払い戻しを申請する手間が省ける。制度を知らないなどの理由で申請を忘れる懸念もなくなる。
ただ、今回の見直しは一回の支払いで限度額を超えるケースが対象。一人の患者が複数の医療機関で受診したり、一カ月の累積額や一世帯の合計額が限度額を超えたりするケースでは従来通り、払い戻し手続きが必要となる。
(産経新聞)
海外で臓器移植を受け、帰国して国内の医療施設で通院治療を受けている患者は、心臓移植では85人, 肝臓で199人, 腎臓で151人の延べ435人との調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・小林英司自治医科大教授)が9日公表した。心臓では、このほかに18人が受けたが死亡しており、延べ計453人になる。
渡航移植の実態が全国規模で調査、公表されるのは初めて。
調査は、倫理面の問題や安全性について検証するのが目的で、日本移植学会所属の医師を対象に1~2月に実施した。
心臓では、国内20施設が103人を受け入れ、うち18人は死亡。渡航先は米国が85人で最も多く、アジア諸国での移植はなかった。
(共同通信)