厚生労働省は15日午前、中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)に、06年度診療報酬改定案の全体像を示した。初診料を病院(ベッド数20以上)と診療所(同20未満)で統一することや、小児医療の重点化などが柱で、禁煙希望者への治療に保険を適用し「ニコチン依存症管理料」(初回2300円)を新設する。同日午後、了承の見通し。4月1日から原則実施となる。
06年度改定は、医師の技術料などの「本体」を過去最大の1.36%引き下げることが既に決まっている。全体像はこれを受けたもので、医師不足や偏在が目立つ小児、産科、救急医療や、在宅医療などの重点項目を引き上げる(0.44%増、医療費ベースで1475億円増)一方、慢性病での入院、検査、初診・再診料などの項目を引き下げる(1.8%減、同5990億円減)ことで、メリハリをつけたと厚労省は説明している。
現行の初診料は、病院2550円、診療所2740円。この「格差」は92年度、病院が外来患者を受け入れた際の利幅を薄くし、大病院への患者集中を是正する目的で設けられた。当時は患者の窓口負担がこの1割と低く、初診料が高くても診療所に一定の患者を誘導できたが、その後窓口負担が2割や3割へアップし、逆に患者が初診料の安い病院に集中する傾向が定着した。
そこで同省は初診料の格差をなくして2700円で統一する一方、再診料も病院570円(現行580円)、診療所710円(同730円)と差を縮め、大病院の「3時間待ち3分診療」の是正を図る。これにより、診療所での患者の窓口負担は基本的に軽くなる。
また、小児を24時間診療できる体制を敷き、夜間診療に4500円の加算を設け、心臓移植手術など高度先進医療8技術に保険を適用する。手術などで1食しか食べなくとも一日単位(1920円など)となっている入院時の食事費を一食単位で640円とするなど、入院関連費のカットも並べた。医療機関に医療費の内容が分かる領収書発行義務付けなども盛り込んだ。【吉田啓志】
■06年度診療報酬改定のポイント■
▽病院と診療所の初診料を統一し、再診料の差を縮小
▽禁煙治療にニコチン依存症管理料新設(初回2300円、2~4回目1840円など)
▽24時間体制の在宅療養支援診療所に報酬加算
▽乳幼児深夜加算など小児医療への評価
▽リスクの高い分娩妊産婦の入院基本料への加算新設(1日1万円)
▽臓器移植への保険適用
心臓移植104万1000円/死体肺移植91万8000円/死体肝移植108万6000円/死体すい臓移植88万6000円
▽透析医療の見直し(外来管理料を2万4600円から2万3050円へなど)
▽コンタクトレンズ利用者の眼科検査料見直し
▽入院時食費を1日単位(1920円など)から1食単位(640円など)へ
▽後発医薬品普及に向け、処方せん様式を変更
▽医療費の内容が分かる領収書の無償交付を医療機関に義務付け
▽診療報酬明細書の電算化システム導入などIT化加算新設(30円)
(毎日新聞)
投稿者:1-12-bike 日時:2006年02月17日 10:14 | パーマリンク