主に「拒絶反応を抑えること」「感染症を防ぐこと」を目的に服用します。

拒絶反応とは、体内に異物が侵入してきたときにそれを取り除こうとする反応のことで、肝臓移植の場合は移植された肝臓が「異物」として認識されます。
この機能のことを「免疫」といいます。
手術後は、免疫抑制剤を服用し、免疫の働きを抑え拒絶反応を起こりにくくします。

免疫抑制剤

免疫抑制剤により拒絶反応は抑えられますが、同時に、体内の抵抗力を抑えてしまうことにもなり、ウイルス, カビ等にも耐性がなくなります。
結果、風邪等の感染症にかかりやすくなります。
拒絶反応と感染症は天秤のような関係になり、免疫抑制を強めると感染症に罹りやすくなり、弱めると拒絶反応が起きやすくなります。

そのために免疫抑制剤が効力を発揮し、副作用を最小限に抑えるため、免疫抑制剤の血中濃度を定期的に測り、服用量を細かく調整します。
免疫抑制剤は、プログラフを中心に数種類を組み合わせて使われます。原則的に、臓器移植後は永遠に服用することになります。

プログラフ(タクロリムス)

免疫抑制剤の中心となる薬です。この薬が使えるようになって、臓器移植の予後成績も向上したといわれています。他の薬との併用で、血中濃度が変わることがあるので、指定された薬以外を服用する場合は、医師, 薬剤師の指示を仰ぎます。
グレープフルーツをはじめ、血中濃度を変えさせる作用のあるものは飲食できなくなります。
主な副作用:感染症, 腎障害, 糖尿病, 手指のふるえ, 心臓の障害, 頭痛, 吐き気, 脱毛など

セルセプト(ミコフェノール酸モフェチル)

プログラフの補助的に使用されます。
プログラフが効きにくい場合等にも使用されます。
主な副作用:感染症, 下痢, 食欲不振, 白血球減少, 貧血

プレドニン(プレドニゾロン)

プログラフの補助的に使用されます。
主な副作用:感染症, 満月様顔貌, にきび, 消化性潰瘍, 白内障, 緑内障, 糖尿病, 高血圧, 骨粗しょう症

その他の薬

主に、免疫抑制剤の副作用を抑えるために使われます。
細菌感染の予防, ウイルス感染の治療, 胃酸の分泌を抑える等目的は様々で、手術直後は種類, 量ともに大量になりますが、術後経過と共に徐々に減らされていきます。